12月20日、トヨタ自動車傘下のダイハツ工業が国内外で販売する全車種の出荷を一時停止すると発表しました。
なんと不正は1989年から始まっていたと複数のメディアで報じられており、動揺が広がっています。
SNS等では、今年企業体質のあり方を厳しく問われた『ビッグモーター』との共通点が話題になっているようです。
今回は、ダイハツとビッグモーターの企業体質の共通点3つを紹介した上で、
話題になっている”唯一の違い”についても触れたいと思います。
ダイハツの会社情報
まずは話題となっているダイハツの会社情報をざっくりと記載します。
- 商号:ダイハツ工業株式会社
- 本社:大阪府池田市ダイハツ町1番1号
- 創立:明治40年(1907年)3月1日
- 代表取締役社長:奥平 総一郎
- 資本金:284億円
- 従業員数:12,508名(2023年4月1日時点)
ダイハツは創業が1907年。
2023年現在で創業116年目ということになりますね。
そのうち直近の34年間で不正を行っていたということですので
単純計算で、116年間の3割の期間で不正を行ってきたということになります。
社会的に厳しい目が向けられるのも当然と言えそうです。
ちなみにダイハツはトヨタの完全子会社であり、生産が滞っても企業としては存続は可能と考えられます。
トヨタが今回の件を機にダイハツを取り込んで、自社の一部門にすることも考えられますね。
ダイハツとビッグモーターは同じ体質と話題!
そんなダイハツに対しては当然厳しい意見が相次いでいるのですが、
ここに来て突如として『ビッグモーター』がトレンド入りする状況になっています。
ビッグモーターと言えば、保険の不正請求問題や店舗前の街路樹への除草剤散布問題が
連日メディアに報じられた大手中古車販売業の会社ですが、
なぜこのタイミングでビッグモーターが話題になっているのでしょうか?
SNSの投稿内容などを調査してみたところ、
ダイハツとビッグモーターの『企業体質の共通点』に注目している人が多いということが分かりました。
ではダイハツとビッグモーターにはどのような共通点があるのか?
第三者委員会の調査報告書の結果を参考にしながら、
現在多くの人が指摘している共通点3つを紹介していきます!
ダイハツとビッグモーターの共通点3つ
SNSの声を元にダイハツとビッグモーターの共通点3つを記載していきます。
ダイハツとビッグモーターの共通点①:職場での極度のプレッシャー
1つ目は、職場での極度のプレッシャーです。
ダイハツではタイトで硬直的な開発スケジュールが厳格に決められており、
現場サイドの職員は常にプレッシャーに晒されていたことが第三者委員会の調査で明らかになっています。
SNS上でも同様の指摘が多く、無茶なスケジュールに対応するために不正に
従わざるを得なかったのではないかという声が高まっています。
今年ニュースになったビッグモーターも、『ロイヤルファミリー』と呼ばれる創業者一家に常に怯えながら、
現場(店舗)はいつも戦々恐々としていたという構造が浮き彫りになりましたが、
確かに体質としての共通点を感じますね。
ダイハツとビッグモーターの共通点②:ブラックボックス化した職場環境
2つ目は、ブラックボックス化した職場環境です。
ブラックボックス、つまり「周りからは見えない閉鎖的な環境」といった意味合いで使われる言葉ですが、
「工場内」や「店舗内」という狭い環境であるほどチェックの目が行き届かず
どうしても不正が生まれやすいと言われています。
ダイハツの今回の不正は、厳しい納期を守ることに囚われてしまった現場の職員や工場長が
現場の判断で不正を行うことが常態化してしまっていたものと考えられています。
なおビッグモーターも、本社から各店舗に厳しい売上ノルマが与えられ、
とにかくノルマを達成するために『店舗内』や『工場内』というブラックボックス化された環境の中で
不正行為が行われていたことが明らかとなりました。
この点においても確かに共通していると考えられます。
ダイハツとビッグモーターの共通点③:現場のコンプライアンス意識の低下
3つ目は現場のコンプライアンス意識の低下です。
ダイハツでは34年もの間、不正が行われていたことが明らかとなっていますが、
恐らく不正行為が行われることが、「当たり前」の環境になっていたのではないでしょうか。
たとえ真っ当な会社であっても、新卒の社員が入社して「社会ってこういうものなのか!?」と葛藤するのはよくある話です。
それまで自分の中で「当たり前」と思っていたものでも、会社の中では全然違うことが「当たり前」だったりする。
内心「これは正しいことのかな?」と思いながら会社で仕事を続けているサラリーマンは世の中にゴマンといると思います。
まして34年間もの長期間で醸成された「当たり前」に、
ダイハツの職員の多くが「こういうものなのか」と疑問を持ちながらも従ってきたのではないでしょうか。
『コンプライアンスの意識が低下していた』というより、
「コンプラどころではない環境が出来上がってしまっていた」の方が妥当かもしれません。
ダイハツとビッグモーターの違いは「初動対応」と話題
ここまではダイハツとビッグモーターの共通点について見てきましたが、
SNSでは両者の『決定的な違い』に言及する投稿が複数見られました。
ダイハツは今回の一件が明らかになった際に奥平社長は会見を開き、真っ先に
すべての責任は経営陣にあります
と世間に対して謝罪しました。
もちろん、これだけで不正行為が許されるものではありませんが、
真っ先にトップが世間に対して謝罪した姿からは、今後真摯に対応していこうとしている姿勢が見えます。
一方で、ここで引き合いに出されてしまっているのがビッグモーターです。
ビッグモーター前社長の兼重氏は、自社の不祥事が発覚した際に会見で、
ゴルフクラブで車体を傷つける?ゴルフをする人に対する冒涜ですよ
とあくまで不正を行ったのは現場の人間で、経営陣は知らないという態度を取りました。
すでに兼重氏は一連の責任を取って辞任していますので、
同氏を批判するつもりはないですが、世間的にはダイハツの対応との違いとして、再び話題になったようですね。
ダイハツの不正事件により、共通点が注目されることになったビッグモーター。
しばらくの間は引き合いに出されるかもしれませんね。