急激なインフレなど経済の混乱が続く南米のアルゼンチンで19日大統領選挙の決選投票が行われ、
中央銀行の廃止などその過激な主張から「アルゼンチンのトランプ氏」と呼ばれている右派の下院議員、ミレイ氏が勝利しました。
アルゼンチンで圧倒的支持を得ているミレイ大統領とは一体何者なのか?調査してみました!
アルゼンチン大統領選挙でミレイ氏が勝利!
11月19日に行われたアルゼンチン大統領選決選投票で、右派でリバタリアン(自由至上主義者)のハビエル・ミレイ下院議員が勝利。
アルゼンチン国内では強烈なキャラクターとして有名なミレイ氏が当選したとあって、このニュースは世界で報じられ、話題となっています。
日本でもX(Twitter)上でも、
面白そうな大統領が誕生した!
と噂になったようです。
もうすでにタダ者ではないオーラを放っていますね笑
極右派(極端な自由主義)を体現したような大統領で、「アルゼンチンのトランプ」と呼ばれているのもなんとなく頷ける気がします。
ちなみにアメリカのトランプ元大統領もミレイ氏の当選にSNSを通じて祝福のコメントを投稿したそうです。
アルゼンチンの大統領選挙でミレイ氏が勝利したことを受けてアメリカのトランプ前大統領は19日、SNSに「世界中が注目した素晴らしい闘いだった。あなたをとても誇りに思う。あなたは国を立て直し、アルゼンチンを再び偉大な国にするでしょう」と投稿し、祝意を示しました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20231120/k10014263241000.html
ちなみに、ミレイ氏が当選したことによって、案の定アルゼンチンの左派(保守主義)の人々は相当なショックを受けているようです。
今回の大統領選挙は、左派の候補セルヒオ・マッサ氏との接戦となったようです。
マッサ氏も支持率50%近くを獲得したため、かつてのアメリカのように国内での『分断』が懸念されるのではないかという声も上がっているようです。。
ミレイ大統領は何者?経歴まとめ
それではハビエル・ミレイ大統領とは一体何者なのか?
経歴や国民の声をまとめてみました。
- 名前:ハビエル・ヘラルド・ミレイ(Javier Gerardo Milei)
- 職業:政治家、経済学者、作家
- 生年月日:1970年10月22日
- 年齢:53歳
- 大統領就任予定:2023年12月10日
ミレイ大統領は現在53歳。
1992年に大学で経済学の学位および修士号を取得。
21 年以上にわたり、マクロ経済学やミクロ経済学、経済学で使用する応用数学の教授として勤務していたようです。
元々は大学教授だったんですね!
アルゼンチン国内や海外各地で講演を行い、50以上の学術論文を執筆。徐々に国内外での知名度を上げていったと言われています。
ちなみにミレイ氏はアルゼンチン国内のテレビで最も多くインタビューされた経済学者とも言われています。
インタビュー回数は235回、出演時間は合計193,347秒だったとのこと。(Wikipediaより)
2010年代に入り、ミレイ氏はアルゼンチンの討論番組で悪名高い政治活動家としての地位を確立したそう。
2020年からミレイ氏は、世論で不支持率が高かったアルベルト・フェルナンデス政権に対する抗議活動を激化させます。
そして同年ミレイは自由前進党を結成。
結党の目的として、
私達が先進国であった1900年初頭に戻るために必要な経済、政治、社会の活性化に貢献したい
と述べています。
そして今回、大統領選挙に当選した際には
きょう我々の新たな歴史の1ページ目が始まる。
失ったものを取り戻そう。
きょうで貧困に苦しむ国ともお別れだ
というコメントを残しており、長年政治不信が囁かれていたアルゼンチンで英雄のような存在になっているようです。
またその他にミレイ氏が掲げている主張としては、
◎アルゼンチン中央銀行を廃止して、米ドルをアルゼンチンの通貨に制定させる
◎政府支出を大幅に削減するべき
◎銃規制撤廃
◎臓器売買の自由販売を許可すると示唆
過激な思想が目立つため、今後の動向に注目が集まるのは間違いないでしょうね。
ミレイ大統領の世界の評判は?
ミレイ大統領の当選のニュースは世界で報じられ、各国の首脳からは様々な反応が寄せられているようです。
アルゼンチンの周辺国(中南米)の左派指導者はミレイ氏に敵意を示している一方で、
ためらいがちに支持を表明する指導者もおり、中国はミレイ氏への協力姿勢を示しているとのこと。
メキシコの左派大統領ロペスオブラドール氏は、ミレイ氏の勝利をアルゼンチンの「オウンゴール」だと揶揄(やゆ)し、同国のためにならないとの見方を示しています。
ボリビアの左派、モラレス元大統領は同日SNSで「ファシズム、超保守主義、新自由主義の成功」は決して願わないと断言。
ベネズエラとコロンビアの左派指導者らも、ミレイ氏の勝利を嘆いていると報じられているので、中南米では今後外交問題でも様々な障壁が出てきそうですね。
しかし一方でチリのボリッチ大統領とブラジルのルラ大統領はともに左派ながらミレイ氏に祝意を示しているようで、
他にもロシアのプーチン大統領は勝利に祝意を示し、中国外務省の報道官も、
『中国はアルゼンチンと着実な関係を維持する構えだ』と述べたことがニュースで報じられています。
今後の動向に世界各国で注目が集まりそうですね!