埼玉県川口市や蕨市に多く住むクルド人。
そのクルド人に関するニュースが連日話題になっています。
ただし「クルド人問題」と聞いてもいまいちピンと来ない方も多いのではないでしょうか?
今回は、話題になっている「埼玉クルド人問題」を誰もが理解できるようにわかりやすく解説してみたいと思います!
埼玉クルド人問題とは?
この問題を一言で言うと、
埼玉県川口市にクルド人が多く住んでいて、川口市民といろいろ揉めている
ということです。
ただしこれだけでは何もわからないと思うので、
まずは次の3つのポイントに分けてざっくり解説したいと思います。
(※時間がない方はこの3つさえ読めば、「埼玉クルド人問題」は大体理解できます)
①そもそもクルド人ってどんな人たち?
②何を揉めている?
③なぜ川口市にクルド人が多く住んでいる?
埼玉クルド人問題とは①:そもそもクルド人ってどんな人たち?
クルド人は、トルコやシリア、イラン、イラクの国境地帯に住む民族で、
総人口は推定3000万人と言われています。
ちなみに『クルド』という国があるわけではなく、『祖国を持たない民族』と言われています。
「トルコ、シリア、イラン、イラク」という国名の並びを見てなんとなく想像がつくと思いますが、
とても紛争の多い地域の国境付近や山岳地域で、なんとか生き延びてきた民族と考えていただければと思います。
私たち日本人の多くは、家があって、毎日ごはんが食べれて、学校に行けて、就職ができて、・・・
というのが当たり前ですが、そういった当たり前の生活すらままならない環境で生きてきた民族です。
「日本人とは価値観や考え方が違って当然」、というのは言い過ぎかもしれませんが、
普通に生きていれば野垂れ死ぬことはない環境で生きてきた日本人
×
普通に生きているだけで、生命の危険すらある環境で生き延びてきたクルド人
両者の間では、価値観の違いだけでなくゴミの分別の仕方や騒音に対するマナーの意識といった
日常生活の”常識”は違っていて当たり前な気がしませんか?
日本人のような学校教育は受けていない方がほとんどです
同じ環境で日本人とクルド人が生活することになったら様々な問題が出てくるのは、
ある意味当たり前とも言えるかもしれません。
まずここでは「クルド人は、日本人とはかなり違う壮絶な環境で生きてきた人たち」ということを理解していただければと思います。
ちなみに川口市に住むクルド人のほとんどは『仮放免』という立場です。
『仮放免』というのは簡単に言うと「本当は入管施設に収容されてないといけないけど、一時的に外で生活していいよ」という制度です。
入管難民法上の規定で、国外退去や入管施設への収容を命じられた外国人のうち、病気や子育てなどを理由に入管施設外での一時的な生活を認める制度のことです。
これには保証金や身元保証人が必要で、出頭義務や就労禁止などの条件に違反すると取り消され、施設に収容されることになっています。
埼玉クルド人問題とは②:何を揉めている?
川口市に住むクルド人は現在約2000人と言われていますが、
①で説明したように「日本人とはかなり違う」文化を持った人たちなので
「騒音トラブル、ゴミ捨て等のマナーに関するトラブル」に始まり
警察沙汰になるようなトラブルが多く発生しています。
SNSには川口市でのクルド人に関するトラブルの画像や動画が毎日のように多く投稿されています。
TiktokやX(Twitter)にはクルド人たちの「迷惑行為」とも言える過激な動画が多数投稿されています。
しかも2023年7月4日には、約100人のクルド人が川口市の病院前を占拠し大声で騒ぎ、
救急搬送患者の受け入れが5時間半停止するという事件も起きています。
このようにクルド人と川口市民の間では揉め事(トラブル)が絶えない状況となっています。
川口市民の皆さんは日常生活に支障をきたすレベルと言えますね。
ここまで来ると、「価値観の違い」では済まされない気がします。
埼玉クルド人問題とは③:なぜ川口市にクルド人が多く住んでいる?
川口市にクルド人が多く生活するようになった理由は大きく2つあって、
・国の移民政策
・川口市長の優しすぎる(?)政策
です。
日本は長年にわたって移民を受け入れてきており、岸田首相も移民の受け入れに積極的な姿勢を示しています。
「労働力不足を移民で補っていく」ということを国会で繰り返し発言しており、
さらに日本は入国在留管理が諸外国に比べて『ゆるい』国として移民たちから認識されてしまっています。
日本ってゆるいらしいよ!好き放題できるパラダイスらしいよ!
世界のあちこちでそんな噂話が立っているかもしれませんね。
国の移民政策にプラスして、川口市にクルド人が多いもう1つの理由が、
川口市長である奥ノ木信夫氏の『優しすぎる(?)政策』です。
奥ノ木信夫市長は、川口市に外国人労働者が多い理由は「川口市が住みやすい街だからだ!」と
外国人労働者が多い現状を誇っている市長です。
奥ノ木市長は、2020年12月に「在留資格のない『仮放免』の移民にも就労の機会を!」と
上川陽子法務大臣に直談判したのです。
「不法滞在者でも働けるようにしてください」と言ってるようなものでは?
迫害を逃れてきたが難民申請が認められないクルド人を救済しようと、埼玉県川口市の奥ノ木信夫市長は23日、法務省で上川陽子法相と面会し、入国管理制度の改善を求める要望書を渡した。難民問題で自治体の長が異例の要請を通じて改善を図らねばならないほどクルド人の生活は逼迫(ひっぱく)している。
朝日新聞デジタルより引用
要望書では、在留資格のない「仮放免」の生活でも支援団体など複数人の身元保証があれば就労を可能にする制度の構築や、健康保険などの行政サービスの提供を国の責任で判断するよう求めた。
国と川口市のダブル移民政策によって、現在のような状況が生まれていると言えますね。
市長選で誰に投票するかは慎重に選んだ方が良さそうですね
PKKとは?
『埼玉クルド人問題』で注目されているPKKという言葉の意味ですが、
これは『クルド労働者党』(PKK)のことです。
クルド人の国家樹立を目指して結成された活動団体です。
どの民族もそうですが、「国を持ちたい、安定した生活をしたい」という思いは世界共通だと思います。
国を持たず、行く先々で差別的な扱いを受けてきたクルド人の独立を目指しました。
PKKは、1999年から2004年6月まで暴力を拒否していましたが、それ以降は強硬過激派が実権を握り、
自らに課していた停戦を破棄しました。
2009年にはトルコ政府とPKKは、和平交渉を再開したものの、
PKKが2011年7月に攻撃を実行し、トルコ兵士13人を殺害したのち交渉は決裂。
PKKとトルコ軍は、2011年および2012年に繰り返し衝突し、
2011年10月の攻撃ではトルコ部隊24人が殺害され、1993年以来最悪の事件となりました。
度重なるテロ攻撃により2001年、米国務省はPKKを特別指定国際テロリストとして指定しています。
「国を持ちたい、幸せな生活をしたい」という当たり前の願望すら叶わないクルド人たち。
「テロリストにならざるを得なかった」事情も見え隠れして、少し胸が痛む気もします。
※12月3日追記※
日本の公安がテロ組織から除外した『PKK』が、日本の公園で放火事件を起こしたようです。
「クルド人は可哀想」なら何をやってもいいのか?
しかし、川口市での現在の状況は看過することはできないと考えます。
川口市民の皆さんは、恐怖を常に感じながら生活をしているのではないでしょうか。
『埼玉クルド人問題』に関しては、「クルド人が可哀想だ!」という意見もあり、
ネット上では様々な議論が繰り広げられていますが、「可哀想」だからと言って、
川口市民の当たり前の生活が脅かされる現状はいかがなものでしょうか?
この厄介で難しい問題について、1人でも多くの方が考えるキッカケになってくれればと思っています。